伊豆沼(宮城県栗原、登米市)に生息する外来魚を駆除する「バスターズ」の今シーズンの活動が終了した。取り組みは11年目で、ブラックバスの駆除数は減少傾向にある。在来生物の姿も回復しつつあり、成果は着実に出ていると言えそうだ。
市民らが参加するボランティア組織のバスターズは今シーズン、6月末までに7回にわたって活動。本年度は計23カ所のブラックバスの産卵床を駆除した。前年より1カ所多い。
最後の活動となった6月29日には、高校生らを含む23人が参加。人工産卵礁(しょう)やアイカゴ、三角網を使ってブラックバスとブルーギルの卵と稚魚の捕獲を目指した。
アイカゴでブルーギルの成魚3匹を捕獲。定置網ではブラックバスの稚魚多数を捕まえた。ブラックバスの産卵は時期を過ぎていたことからゼロで、これから本格化するブルーギルもなかった。
ブルーギルについては今後、バスターズ事務局の県伊豆沼・内沼環境保全財団が電気ショッカーボートによる駆除を各所で進める。
財団によると、最近はエビ、コイ、ハゼ類など、これまであまり見られなかった在来生物が確認され、本来の沼の姿が戻りつつあるという。
財団の藤本泰文研究員は「ブラックバスの食害による影響が縮小している。稚魚や卵の駆除数は減る傾向だが、油断することなく活動を徹底したい」と話している。