一般的に外食で出かける場所と言えば、“ファミリーレストラン”といった外食チェーン店を思い浮かべる人が多いと思いますが、最近では、スーパーの“イートインコーナー”が新たな外食の場所として注目を集めているようです。

 

■ イートイン利用者の評判は?

10月11日放送の「ニュースウオッチ9」(NHK系)では、スーパーのイートインコーナーを取材。現在、スーパーで買った“お惣菜”をイートインコーナーで食べる家族が急増しているとのことです。

この動きに伴い、番組が取材した「イオン新浦安店」では惣菜の売り上げが上昇。「イオンリテール」の広報部長・栢野博子も「『買って帰る』から『買ってここで食べる』という食べ方に変わっているのかな」との見解を示しました。さらに「こういった大型イートインはどんどん強化していく」ともコメント。人々の新しい消費の形を受けて柔軟に対応していくようです。

しかしなぜ、家に持ち帰るのではなくスーパーで食べるのでしょうか。番組がイートインコーナーで取材したとある主婦の方は「冷めたら嫌だし、ゴミも全部捨てて帰れるので洗わなくてもいい」と答えていました。

他の利用者からも「広い場所で食べるから、遠足みたいで楽しくてワクワクする」「家でそろえて作るよりも安くすむ場合もあるので、金額的にも助かる」との声が。さらに「家に居ると家内がうるさいので外に出る」という定年退職したお父さんの声も寄せられました。

しかし視聴者の間では賛否両論。否定派からは「イートインで夕食をすませるのはちょっとなぁ…」「やっぱり家族団らんの時間は家で過ごしたい」「単純に見栄えがよくない」との意見が。

一方で「“妻が家事をする”って前提なら否定する人がいるのもわかるけど、最近は共働きの家庭も多いし賢い選択」「イートインはお店の商品を食べるところだし別に良いのでは?」「利用者は手軽に外食気分味わえるしお店側は売り上げがアップしてるし誰も損してない。むしろどんどんイートインが発展してほしい」と賛同する声も上がっています。

 

■ 大型イートインが急増中

同番組の取材で広報部長が語っていたように、現在イオンは“大型イートイン”にかなり力を入れています。今年5月に「日本経済新聞」は、「イオンは食品売り場に50席以上の飲食スペースを設けた店を3年以内に約150店に倍増」と報道。イートインでの食事を前提とした商品も売り出していくそうです。

イートインに力を入れる動きはコンビニ業界でも顕著。2015年には「株式会社ファミリーマート」が地元の商店街と協力して、「ファミリーマート吹田栄通り商店会店」を開店しました。同店舗では2階部分に約40席の大型イートインがあり、食事だけではなく「会合などの集いの場」としての利用も推奨しています。

買った商品をそのまま店内で食べるという新しい食事の形。このまま需要が増え続ければ、スーパーやコンビニが“レストラン化”する未来も遠くないかも?