多賀城南門復元へ 歴史まちづくり、国が認定

宮城県多賀城市の歴史的景観や文化を保存し、東日本大震災からの復興に向けたまちづくりに生かす市の「歴史的風致維持向上計画」(2011~20年度)が6日、歴史まちづくり法に基づく国の認定を受けた。東北では弘前市、白河市に次ぐ3件目の認定で県内では初めて。国特別史跡多賀城跡の象徴として検討されてきた多賀城南門の復元が始動する。
 計画は(1)古代多賀城(国特別史跡多賀城跡、国重要文化財多賀城碑など)(2)塩釜街道(沿道の道標や陸奥総社宮)(3)農村集落(板倉、南宮神社など)(4)貞山運河(水運や灯籠流し)―を保護すべき歴史的風致に挙げ、327ヘクタールを重点区域とした。
 多賀城南門の復元事業は12年度に着手、多賀城創建1300年となる24年度の完成を目指す。大きさは間口約10メートル(屋根含め約15メートル)、奥行き約6メートル(同11メートル)、高さ約13メートル。合わせて南北大路など多賀城跡を一体的に整備する。
 震災で壁が崩落するなどした個人宅の板倉の調査や改修費用の助成、塩釜街道沿いの板塀復元も盛り込んだ。歌枕として知られる「沖の井」「末の松山」などの景観再現にも取り組む。
 多賀城市は10年度末の認定申請を目指し、市民とのワークショップなどを行ってきたが、震災で一時中断した。市は「南門を復元し、多賀城市復興のシンボルとしたい」としている。
<歴史まちづくり法>国土交通省、文部科学省(文化庁)、農林水産省が2008年、歴史的建造物や町並み、伝統・文化を生かした人々の活動など「歴史的風致」の維持・向上と継承を目的に定めた。計画の認定により、事業費の半分を上限に国から

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