多賀城駅前に新商業施設 若手経営者ら出資

宮城県多賀城市のJR仙石線多賀城駅前再開発事業地内で建設が進むマンション1階部分の商業スペースを、地元の多賀城・七ケ浜商工会が取得する方針を固めたことが27日、分かった。商工会と若手経営者ら会員が出資し、ミニスーパーや飲食店などの出店を促す。市立図書館開業でにぎわいを見せる駅前で、意欲のある商店主らを支援する。
取得するのは、来夏の完成を予定している12階建てマンションの1階部分約230平方メートル。
商工会青年部の有志を中心に11月発足予定のまちづくり会社が、マンションを建設した民間デベロッパーと売買契約を結ぶ。まちづくり会社はスペースを5~6区画に分け、生鮮食料品を取り扱うミニスーパーをはじめ小売店や飲食店に出店を働き掛ける。
取得費用の約9000万円と改装費用の約2000万円については、商工会が支出する出資金100万円と会員から募る1口5万円の出資金、金融機関からの借り入れで賄う。
今年3月に完了した再開発事業地内では、駅北側に市立図書館などが入るビル2棟、駅南側には市の立体駐車場(351台)やマンション2棟が建設される。
当初、市と再開発会社は駅乗降客の利便性を高める観点から再開発事業地内へのスーパー誘致を検討したが、契約までには至らなかった経緯がある。
駅前の一等地で図書館開業の波及効果も見込まれる駅南側を巡っては、地元経営者らから市や再開発会社サイドに対し、商業スペース整備や優先的な出店が可能な枠組みの構築を求める要望が出ていた。
商工会は、マンションの商業スペース取得は中心市街地の活性化などに寄与するとして、市に固定資産税などの負担軽減策を求める考え。安住政之会長は「若手が地元で店を構えられる環境を整えたい」と話す。

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