夢と現実のギャップ、精神的なバランスを崩す、日本人がかかる「パリ症候群」

英国メディアの5日付記事では、フランスを訪問する日本人観光客は年間100万人に達し、数万人の在仏日本人の多くはパリで暮らしている。パリにロマンチックな期待、憧れを抱く人は多い。
パリに到着すると、想像していた町と違うと感じる日本人観光客は多い。パリの乱暴なタクシー運転手、どうしてフランス語を話さないかと顧客に大声で文句を言うレストラン店員の態度などが、日本人観光客にはショックが大きい。
欧米からの観光客は一笑に伏すが、丁寧、秩序、親切、公共の場では怒りを隠すことを大切にする日本人には受け入れられない。
パリの人は、日本人だけではなく、フランス語を話さないすべての外国人に親切とはいえないが、問題は日本人が欧米の文化とライフスタイルに現実離れした空想を抱いていることにある。そして、旅行中の日本人はグループで行動しがちで、現地の人との接触が少ない。少数の日本人は現地の人と触れ合うが、カルチャーショックは避けられない。
ロマンチックなパリ観光の夢が悪夢に変わった時、日本人観光客はカルチャーショックを受け、吐き気、不眠、痙攣、言葉で表現しにくい恐怖感、劣等感、羞恥心などの症状、ひいては自殺傾向さえ出てくる。
在仏精神科医、太田博昭氏は1980年代に「パリ症候群」を発見した。
報道によると、今年に入ってから、パリの日本大使館は少なくとも4人の「パリ症候群」がかかった日本人観光客の緊急帰国を支援した。うち女性2人は、宿泊先のホテルで盗聴されており、迫害を計画されていると主張していた。
パリ症候群になった患者の三分の一はすぐ回復し、三分の一は何度も発作が起き、残りの三分の一は精神的なバランスを崩すといわれる。

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