夢メッセ、7月に再開 第1弾は自動車フェス 仙台

宮城県は16日、東日本大震災で被災して休業していた仙台港近くの展示場「夢メッセみやぎ」(仙台市宮城野区)の復旧作業を6月中に終え、7月に再オープンすると発表した。再開第1弾のイベントとして、自動車の歴史と未来を紹介する「とうほく自動車フェスタ」(7月20~29日)の開催も決まった。仙台港の商業機能回復に弾みがつきそうだ。
 メッセは東北、北海道で最大級となる床面積7500平方メートルの屋内展示場を持つ大型施設。震災による津波で、大量の車両やがれきが展示棟に流れ込んだほか、多くの電気設備が水没するなどの被害があった。
 県は「震災からの産業復興に不可欠」として昨年12月、総額約30億円を投じて全面復旧に着手。現在、連日200人以上の作業員がひび割れた壁の修復、空調設備の交換などを進めている。
 津波対策として、事務室や防災センターなどを会議棟2階に移設。電気室の床も底上げした。
 震災前のメッセは、セミナーや展示会など年間200件以上の利用実績があり、毎年40万人超を集客していた。村井嘉浩知事は16日の定例記者会見で「施設再開は仙台港のにぎわい創出につながる。被災地の復興ぶりを国内外に発信する拠点になってもらいたい」と期待感を示した。
 「とうほく自動車フェスタ」は、河北新報社など宮城県内の九つの企業、団体でつくる実行委員会が主催し、宮城県が共催する。昨年7月に夢メッセで開催予定だったが、震災で延期された。
 会場は「進化を知る」「近未来社会を展望する」など4ゾーンで構成。トヨタ自動車など国内外の車メーカー十数社の協力を得て、往年の名車やスポーツカーなど計約80台を展示する。未来の交通システムなど、東北大などよる自動車技術の研究成果も紹介する。
 復興支援の一環として、被災地の特産品や工芸品を販売する「みやぎ復興物産市」も実施。屋外会場では災害時に活躍する特殊車両を展示する。

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