◆また、まれに小麦や甲殻類など特定の食品について、食べただけでは発症しないけれど、食べた後に運動することで運動誘発アナフィラキシーを起こすケースもあります(食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA))。このほか、石けんや化粧品に含まれる小麦由来の成分などが、皮膚や粘膜から吸収されてアレルギーを起こすこともあります。
◆食物アレルギーの症状は、皮膚のかゆみ、口の中のイガイガ、くしゃみや鼻水、腹痛、下痢、吐き気などです。食物アレルギーが疑われたら、早めに皮膚科やアレルギー専門医を受診することが大切です。医師に、何を食べたか、口にしてからどのくらい経過して、どんな症状が出たか、どんな時に発症したか、運動はしていたかなどを詳しく伝えてください。
◆血液検査、皮膚検査などを行い、どの食品に対して抗体が高くなるのか調べます。必要に応じて、特定医療機関では疑わしい食品を一定期間避けることで症状が改善するかを見る食物除去試験や、逆に原因と考えられる食品を少量食べさせて症状の変化を見る食物経口負荷試験が行われます。
◆大人の食物アレルギーは、いったん発症すると治すことが困難です。アレルギーがあるとわかったら、その食品を避けることが必要です。予防として、同じ食品を毎日食べることはせず、食事のバリエーションを豊富にしておくとよいでしょう。
◆また、免疫が弱まるとアレルギーを起こしやすくなるので、疲労を溜めすぎず睡眠時間を確保する、散歩やストレッチなど無理のない運動を習慣にする、ストレスをできるだけ回避するなど、生活習慣を整えることが大切です。
(監修:はくらく耳鼻咽喉科・アレルギー科クリニック院長 生井明浩)