東日本大震災の犠牲者の鎮魂を願い、ミャンマーの総合商社「TOMOSADA」が寄贈した大仏の開眼法要が25日、建立地の宮城県南三陸町志津川の「海の見える命の森」であった。
ミャンマー産の大理石で造られた大仏は台座を含めて高さ約5メートルで、志津川湾を一望できる丘に立つ。町内で南三陸ホテル観洋を経営する阿部長商店(気仙沼市)に贈られ、10月下旬に建立を終えていた。
法要には関係者ら約80人が出席。ミャンマーと地元の僧侶がお経を唱え、大仏に魂を吹き込んだ。
「被災地の光景に胸を打たれた」。TOMOSADA共同代表のマウン・テッ・ミャ・ウーさん(52)は5年前に気仙沼市を訪れ、津波に襲われた気仙沼向洋高の旧校舎などを見て回った。「被災地では多くの人が命を落とした。被災者を慰めるため、力になりたい」との思いを抱いた。
この時、現地を案内したのが阿部長商店の関係者だった。ホテル観洋が震災後に住民有志やボランティアと「海の見える命の森」を整備していたこともあり、大仏の建立が実現した。
阿部長商店社長の阿部泰浩さん(56)は「多くの人の協力でこの日を迎えられたことに感謝したい」と話した。