大分市は23日、JR大分駅北口駅前広場に設けていた授乳室を閉鎖した。目的外の利用が常態化していたことから、防犯や安全性を考慮した。
市によると、授乳室は2017年に開設された後、22年頃からたばこの吸い殻などのゴミの散乱が増えていった。適切な利用を呼びかける案内を掲示するなどしてきたものの、今年9月には、壁に直径約50センチの穴が開けられる被害も起きた。
市は同17~23日、10月12、13日の9日間について、授乳室入り口の防犯カメラで入室状況を確認。40回のうち、乳幼児を連れた人の入室は1回にとどまった。残りの39回は若年層を中心に、乳幼児を連れていない女性20人のほか、男性52人も利用していた。たばこやカップ麺のようなものを持って入室する映像も残っていたという。
この日の定例記者会見で、足立信也市長は「このままでは何らかの犯罪の温床になるのではという懸念があった」と閉鎖の理由を説明。J:COMホルトホール大分など近くの公共施設にある授乳室の利用を呼びかけた。
閉鎖された授乳室について市は今後、他の目的での利活用を検討する方針。