文部科学省と厚生労働省は15日、今春の大学新卒者の4月1日現在の就職率が前年同期比2.6ポイント上昇の93.6%となり、4年ぶりに改善したと発表した。昨年春は統計を取り始めた1997年以降で最低だったが、中小企業への就職が進み、最悪期を脱した。
一方、文科省が15日発表した高校新卒者の3月末現在の就職率は1.6ポイント上昇の94.8%と2年連続で前年水準を上回り、93年度(95.2%)以来、18年ぶりの高水準となった。
調査は全国の国公私立大62校を抽出し、4770人を対象に実施。高校生は就職希望者全員を対象に行った。
大学生の就職率のうち、男子は3.4ポイント上昇の94.5%、女子は1.7ポイント上昇の92.6%。文系は2.8ポイント上昇の93.3%、理系は1.5ポイント上昇の94.6%だった。
厚労省は、大学生の就職率改善について「大企業を中心に厳しい就職環境が続いているが、大学とハローワークの連携で、中小企業への就職を決めた学生が今年1月から3月に増えたことなどが寄与した」と分析している。