大型ジャパンタウン造成に韓国で賛否両論

日本ではコリアタウンが複数ある。

東京の新大久保や大阪の鶴橋などが有名だが、韓国に「ジャパンタウン」が作られるという。

今月3月中に大阪の有名飲食店が続々と京畿道(キョンギド)のべゴッ新都市に上陸し、営業を開始する予定らしい。

すでに2月12日には、日本と韓国側の関係者たちが集って業務協約式を行った。韓国側を代表する不動産会社のキム・ジョンミン社長は、「ジャパンタウン誘致のために大阪には何度も足を運んだ。苦労の末にやっと実った結果」という。

今回の協約によって20店舗が先行上陸し、その後を追って30店舗ほどが3月中に追加上陸するという。これからべゴッ新都市は、日本の味や文化などを本格的に堪能できる、“大型ジャパンタウン”になるわけだ。日本に行かなくとも人気商品も手に入ることになるだろう。

(参考記事:韓国人観光客が必ず買っていく「日本の商品」BEST 6をご紹介!!)

ところが、このジャパンタウンの存在が明るみになると、韓国のネット上には当然と言うべきか、賛否両論の意見が飛び交った。

とりわけ話題となったのは、韓国の大統領府が設置している“国民請願”だ。韓国国民がオンラインで韓国政府に希望を申し出ることができるサービスで、1件の請願に対して30日間に20万人以上の署名が集まった場合は、長官や首席秘書官を含む政府関係者が正式に回答を示すことになっている。

この“国民請願”に「ジャパンタウン造成を無効にしてください」という書き込みが上がったのが2月19日。

当初はさぼと話題にならなかったが、3月1日を前後してメディアで大きく取り上げられると、そこには多くの反対意見が書き込まれるようになった。

気になってべゴッ新都市の入居者が集うネット・コミュニティも覗いてみたが、「歓迎できない」という反対意見が見受けられた。

ここ最近、日韓が外交問題で対立を深めていることを指摘しながら「こんなことがあるたびに不買運動やら何やらが起きて街が騒がしくなる」と懸念する声や、反日感情をあらわにしながら拒否感を示す人も少なくかったというのが正直なところだ。

韓国では過去にもいくつかの日本企業が“右翼・戦犯企業”というレッテルを貼られ、不買運動の矛先を向けられたことかあるが、それがふたたび繰り返されるかもしれないという懸念もある。

先月には100万人以上のチャンネル登録者を抱える超人気ユーチューバーが「ダイソーは竹島を後援している」などの誤情報を発信、謝罪するハプニングもあった。

また、「日本の商品や料理店は韓国でもすでに飽和状態になるのに、ジャパンタウンは必要か」という指摘もあった。

確かにここ数年、外食業界で“日本食”が勢いづいていた韓国にはすでに「丸亀製麺」をはじめ「カレーハウスCoCo壱番屋」「モスバーガー」「かっぱ寿司」など、数多くの外食チェーンが進出している。

最近ではパンケーキやチーズタルトなど、日本発のスイーツ専門店が若者の間で爆発的な人気を博していて、「わざわざ日本に行かなくても済む」と言う声も上がるほどだけに、そこであえてさらに大型ジャパンタウンを作る必要があるかということだ。

はたして、韓国初の本格的なジャパンタウンは無事にオープンするだろうか。

昨今は日韓関係が冷却しているだけに様々な困難があったものの、「地域商圏活性化のために成し遂げたい」というのが前出のキム氏の意欲だが、ネット上にはそのキム氏をはじめとする企画者たちを非難するような意見もあって、個人的には残念だった。

その一方でジャパンタウン賛成派たちは、“美食の都市”として韓国で圧倒的な有名を誇る大阪の味に大きな期待を寄せている。

ちなみに前出の“国民請願”を見ると、3月18日時点で9万3651人の人々が「ジャパンタウン造成を無効にしてください」という書き込みに賛同していた。この請願の締め切りは3月21日だ。

3月中には先乗りした店舗中心に営業を始め、5月頃にはグランドオープンする予定だという韓国のジャパンタウン。その行方には引き続き注目しておきたい。

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