手堅く計画的に貯金をしている大学生が増えており、就職後も消費より貯蓄を優先する人が目立っている。
大学生や新社会人の間で、将来を見据えて貯蓄を重視する傾向が強まっており、倹約志向の高まりがみられる。
毎日コミュニケーションズが7月に実施した、2012年卒業予定の日本全国の大学4年生および大学院2年生の男女789名を対象とした調査によれば、これから社会人になってお金をかけたいもののトップが「貯金」という回答だった。「旅行」「ファッション」「家電製品」「家具」「車」といった回答を上回っており、同社が前年に実施した同様の調査よりも、貯金を選択した回答者の割合は大幅に増加している。
貯金を重視する目的として、約4人に1人が「結婚資金のため」としており、将来に備えて堅実にお金を貯めようという男女が増えている。また、今回の調査結果で注目されるのは「特に理由はないが、なんとなく貯金をしておきたい」との回答者で、前年の調査時よりも増加が目立っている。
また、いよぎん地域経済研究センターが、松山大学および愛媛大学の大学生213名を対象に4月に実施したアンケート調査でも、「毎月必ず貯蓄をしている」と答えた学生が65.7%に上り、毎年実施されている同調査で過去最高の割合を記録した。貯蓄額の最多回答は「10万円から50万円」だったという。さらに、今後の支出傾向については「減らしたい」と回答した学生が53.3%で、「増やしたい」と回答した学生の8.6%を大きく上回った。「食費」「娯楽費」「通信費」「ファッション費」が、支出を抑えたい分野の上位を占めている。
長引く不況の影響か、旅行やファッション、新車、新商品などにお金を使うよりは、堅実に貯蓄を優先させる若い人が増えているようだ。