大学生の冷やし中華応援団 メンバー1人、存続の危機

3月10日14時33分配信 河北新報

 仙台発祥の冷やし中華をもり立てようと、市内の大学生が結成した私設応援団「仙台冷し中華連盟」が、メンバー探しに躍起になっている。中心メンバーの一人が間もなく、就職のため仙台を離れ、2年生1人だけになるからだ。活動の見通しも立たず、中華料理店の組合関係者は「学生たちのPR効果は大きい。できれば活動を継続してほしい」と話している。

 連盟は2005年11月に発足した。現在のメンバーは東北学院大4年の吉田賢哉さん(21)と宮城大2年の西良弘さん(20)だが、吉田さんは今春、大学を卒業し、東京の企業に勤める。ほかにイベントの手伝いをしてくれる学生が十数人いるが、大半が4年生で、活動を続けるのが困難だ。

 「仙台発祥の牛タン焼きが全国区の名物となっているのに、冷やし中華はまだまだ認知度が低い。年中、冷やし中華が食べられる店も少ない」と、吉田さんと西さんが口をそろえる。通年のメニューに載せている店が、10年前には市内に約40軒あったが、今は10軒程度に減った。

 2人は昨年の仙台青葉まつりや仙台七夕まつりで、紅しょうがと錦糸卵をイメージした赤と黄のコスチュームの「冷やし中華マン」に扮(ふん)してPR。冷やし中華の歴史や店を紹介した手作りパンフレットを配布し、観光客らに好評だった。

 新年度の活動は西さんが頼りだが、「1人ではイベントの内容が充実しない。夏場に向け、今から準備を本格化させたいのだが…」と心もとない。「卵やキュウリなど『食材王国みやぎ』を売り込むには最適な料理。魅力を伝える人が続いてほしい」と吉田さんは言う。宮城県中華料理生活衛生同業組合の佐藤豊副理事長(58)は「ボランティアの活動で、手応えを感じていたのに残念。活動が継続できるよう応援したい」と話した。

 冷やし中華は、1930年代半ばに市内の中華料理店が「涼拌麺(りゃんばんめん)」と名付けた冷やし中華の原型を考案したのが始まりとされる。

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