人通りの少なくなった商店街に買い物客を呼び戻そうと、専修大学(川崎市多摩区)経済学部の学生約二十人が、新ゆりグリーンプラザ商店会(麻生区白山四)の店主らと「歳末大感謝祭」を企画した。十八日には、子どもたちと一緒に作る花時計や、学生たちが選んだ景品が当たる福引などのイベントが行われる。 (平木友見子)
同商店会は、総戸数二千四百戸の大規模マンション街「新ゆりグリーンタウン」の中にあり、かつては買い物客でにぎわっていた。だが、三年前にスーパーが撤退。買い物客は、約二キロ離れた小田急線新百合ケ丘駅周辺の大型店へ流れてしまったという。
「元気のない商店街にはなりたくない。まだまだやれるという姿を見せたいと思った」と同商店会の菊池慶高会長(49)。スーパーの誘致活動を進めると同時に、他の商店会を視察。専大生が盛り上げに一役買っている商店街の存在を知り、「うちも自分たちと違う発想が欲しい」と、市を通じて、同大に申し込んだ。
学生たちは今春、商店会周辺の住民に、年代や家族構成、なぜ商店会を利用しないのかなどのアンケートを実施。その結果を踏まえながら、月一度の会議で「感謝祭」の内容を話し合ってきた。
「感謝祭」の目玉は、太陽光発電で動く、直径一メートルの花時計。二メートル四方の枠に入れ、会場に来た先着二十人の子どもたちにも花を植えてもらい、計三百株の花で時計を作る。
「子どもが楽しんでくれれば、親もきっと来てくれるはず」と同大三年の松本康生さん(21)。会場には、射的などゲームコーナーを設置するほか、豚汁も無料で配布。「商店会と地域が一体になれるイベントに」と話す。
菊池会長は「商店会のためにこれだけ一生懸命になってくれてありがたい」と感謝。「学生が関わることですごく勉強になったし、周りの反応が違う。これで当日、たくさんのお客さんが来てくれたら」と期待を込めていた。