仙台市内の各大学が、オリジナルグッズの企画販売に力を注いでいる。大学のロゴマークの表示にとどまらず、地元企業とのコラボレーションによる良質な商品開発にも積極的だ。国内外から訪れる研究者やOBらの購入を見込み、仙台ブランドの発信に一役買っている。
市内の7キャンパスに29店舗を構える東北大生協は国際学会の参加記念品などとして、文房具や菓子類など40種類近いオリジナルグッズを扱っている。
最も値が張るのは、東北工芸製作所(青葉区)と提携して制作する玉虫塗のオルゴール付き宝石箱(8400円)。注文から完成までに3カ月がかかるオーダーメード品だ。深い緑色にロゴマークのハギをあしらった。ふたを開けると、旧制二高の教授だった土井晩翠が作詞した「荒城の月」のメロディーが流れる。
生協によると、各種グッズ販売は卒業式と入学式、高校生を対象とした7月のオープンキャンパスが書き入れ時。式場や各会場に特設テントを構え、来訪者にアピールしている。
東北学院大生協はことし6月、純米吟醸酒「地の塩」「世の光」の取り扱いを始めた。価格は300ミリリットル2本セットで1800円。
「大学のオリジナルグッズが少ない」との学内からの声もあり、東北学院同窓会が土樋キャンパス(青葉区)に近い森民酒造本家(若林区)に製造を依頼した。
すっきりとした癖のない味わいに仕上がり、OBや教職員らの反応は上々という。生協は、同窓会支部の会合などでの利用を見込む。
仙台白百合女子大は4月、パン店のメゾンカイザー仙台と組み、オリジナルの洋菓子「白百合サブレ」(84円)「白百合マドレーヌ」(126円)を開発した。泉区のみやぎインターカレッジコープ仙台白百合女子大店で売り出している。
このうちマドレーヌは、同大が短大時代に学園祭で販売した人気商品をモデルにした。レシピは設立母体の女子修道会から伝えられたという。
シンプルで飽きのこないバニラ味。企画した健康栄養学科の宮下ひろみ准教授(調理学)は「単なるお土産品ではなく良質でおいしいスイーツを目指した」と意気込みを話した。