大手10社、ポイント交換参加へ マイナンバー活用 地域活性化へ弾み

マイナンバーカードをポイントカードとして使えるようにする政府の地域経済活性化策で、クレジットカード会社や電力大手など10社がポイント交換に参加する方針を固めたことが17日、分かった。10社が年間に発行するポイントは2000億円分を超えるとみられ、政府はその数分の1でも地方での消費にまわれば、景気刺激効果は大きいとみている。9月をめどに全国の地方自治体で実証事業を始める予定だ。

参加するのは、三菱UFJニコス、三井住友カード、JCB、クレディセゾン、UCカードのカード大手5社のほか、マイレージやポイントを扱う全日本空輸、日本航空、NTTドコモ、中部電力、サイモンズ(東京)。政府は他の企業にも参加を呼び掛ける方針で、実証事業開始後も増やしていく。

地方自治体が、ボランティアや健康に関する取り組みなどを行った住民に付与している「自治体ポイント」に、参加企業のポイントやマイレージを一定比率で交換できるようにする。利用者は、クレジットカードの使用などでたまったポイントを住んでいる自治体のポイントに交換し、バスなどの公共交通機関を利用したり、商店街の買い物に充当できる。旅行先の自治体のポイントに変えれば、現地での買い物や観光施設の入場料などに充てることが可能。インターネットを通した地方の名産品購入にも使えるようにする。

マイナンバーカードに搭載されている電子証明書を活用し、ポイントの交換も利用者がインターネットで行う。簡単な操作でできるように準備しているが、高齢者には敬遠される可能性もあり、マイナンバーカードの読み取り機も必要となる。自治体のサポートが課題になりそうだ。

地域経済活性化策への自治体の参加は任意だが、ネット上にデータを保存する「クラウド」で管理するため、各市町村はシステム改修費がかからず、参加へのハードルは低いという。自治体ポイントでは、健康増進などのために、既に数百の市区町村が導入。政府の活性化策を利用するため、多くの未発行自治体も新たに参加する可能性が高い。現在の自治体ポイントの総額は20億円程度とみられるが、民間企業のポイントからの交換で数倍に膨らむ見通しだ。

総務省幹部は「使われていないポイントやマイレージを新たな地域の財源にまわす施策だ。全ての自治体に参加を呼び掛け、創意工夫で地方の活性化につなげたい」と強調している。

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