新型コロナウイルスの感染者が急増している東京都など大都市圏と行き来した後、地方で感染が確認されるケースが急増している。都道府県境をまたぐ移動の自粛が6月19日に全面解除されて約1カ月。東京との往来で感染した可能性がある人が、首都圏の1都3県を除く43道府県のうち少なくとも27道府県で判明した。また大阪府と行き来した後に感染が判明するケースも13府県で明らかになっている。いずれも7月に入ってからの拡大が顕著だ。
朝日新聞の集計によると、各自治体の発表内容に差異はあるものの、東京との往来の後に感染が確認された人と、その人の周辺で感染した人は、6月19日から7月16日までで少なくとも104人にのぼった。6月19〜30日は5県の計8人にとどまっていたが、7月1〜16日は26道府県の計96人と急増した。
このうち集団感染が発生した東京都新宿区の劇場で観劇した後に感染が判明した人は首都圏以外の6県で計16人に上った。東京出張から帰った後や、東京から実家に帰省した後に感染が判明したケースも目立ち、都内のホストクラブを訪れた人のほか、地元で家族や同僚に感染が広がったケースも含まれている。
地域別では愛知県で21人、茨城県で13人に上ったほか、北海道や山梨、京都、大阪、広島、福岡など全国に広がっている。福井県では4月末から感染者が確認されていなかったが、東京出張から帰宅した30代の男性と、その家族の感染が7月中旬に判明した。
大阪府との往来の後の感染判明も西日本を中心に相次いでおり、奈良や兵庫、京都などで計44人に上る。愛知や富山、福島でも確認されている。