経営不振の大井川鉄道(島田市)の再建問題で、大鉄が政府系の地域経済活性化支援機構(東京都)に事業再生支援を申し込む方針を固めたことが28日、関係 者の話で分かった。1969年の名古屋鉄道(名古屋市)の経営参加以来、半世紀近くにわたる筆頭株主の名鉄と大鉄の関係は大きな節目を迎える。
同機構は有用な経営資源を持ちながら過大な債務を負った事業者を対象に金融機関や新スポンサーとの間に入り、債権放棄を仲介するなどして事業再生を図る支 援機関。関係者によると、既に静岡県外でホテル再建に関わった実績のある新スポンサーが浮上している模様だ。支援が決定すれば、名鉄は事実上経営から撤退 する見込みで、大鉄は新スポンサーの下で再出発することになる。現在の名鉄の持株数は44万株で議決権比率は10・5%。
大鉄は主力のSL事業の不振で2013年度に3期連続赤字を計上した。有利子負債は約35億円。14年3月に電車を大幅減便して沿線自治体に支援を求め るとともに金融機関から元金の返済猶予を受け再建策を検討していた。14年度は「きかんしゃトーマス」の好評で黒字転換の見込み。