大間原発、焦っているとしか…市長、春にも提訴

「電源開発」(東京都中央区)による大間原子力発電所(青森県大間町)建設再開問題で、北海道函館市の工藤寿樹市長は1日、同社幹部との会談後に記者会見し、工事の無期限凍結を求めて来春にも提訴する方針を明らかにした。
 同社幹部は1日午後、建設予定地の大間町などのほか、道庁と函館市を訪れ、建設再開の方針を正式に伝えた。同社は「福島原発事故を踏まえ、安全強化対策を確実に実施し、原子力規制委員会の新基準も常に反映する」(同社取締役副社長の日野稔・原子力事業本部長)などと理解を求めた。
 しかし、道や函館市は強く反発し、多田健一郎副知事は「建設再開ははなはだ遺憾」とわずか11分間で会談を切り上げた。
 大間原発から約23キロ離れた同市の工藤市長も、福島原発事故の原因究明がなされていないと指摘した上で、「建設工事再開を急ぐ姿勢が全く理解できない。政権が代わればどうなるか分からないから、今のうちに既成事実を作ろうというのか、焦っているとしか見えない」と批判した。記者会見で工藤市長は、市が建設工事の本格的な再開時期と想定する来春に提訴するとし、職員に訴訟準備を急ぐよう指示したことも明らかにした。

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