大阪全域で感染ジワリ拡大、これまでと異なる兆候も

大阪府では、約3か月ぶりに新型コロナウイルスの新規感染者が60人を超え、感染再拡大のリスクが高まっている。感染経路の不明者が多く、府は「府内全域で、市中感染がじわりと広がっている」(幹部)と危機感を強めている。

 府によると、15日の新規感染者は61人で、14日の20人から一気に3倍に増えた。自粛要請・解除の独自基準「大阪モデル」では12日以来、警戒を要する「黄信号」が点灯している。

 府が12日に公表した感染者209人(6月14日~今月11日)の分析では、18~30歳代が163人で約8割を占めたほか、3割強の70人が「夜の繁華街」関連だった。このため、府は若者や大阪市内のミナミなどの繁華街を「感染震源地」として警戒を呼びかけてきたが、15日の感染者61人を分析すると、これまでとは異なる兆候も見られている。

 年代別では、30歳代までが41人と全体の7割近くを占め、若い世代が多い状況は変わらないが、40歳代以上の年代も増加傾向にあり、3割に上った。居住地別では大阪市以外の居住者は約7割を占めた。

 こうした状況から、吉村洋文知事は15日、自身のツイッターで「これまで若者中心で、場所は大阪市内が多いというのが顕著な傾向でしたが、年齢層が上がり、大阪市外が増えている」と投稿し、府全域での感染拡大への警戒感を示した。

 ただし、吉村氏は経済活動へのダメージは極力避けたい考えで、府は現状では、休業要請などは行わず、3密対策の徹底などを図ってもらうことで、感染拡大を抑える方針。

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