大雨浸水解消へ期待 仙台で専用下水道のトンネル掘削進む

仙台市内最大規模となる雨水専用下水道の掘削が進んでいる。若林区大和町と七北田川を結ぶ6.5キロの原町東部雨水幹線。市が2013年度に着工し、10月末時点で半分を掘り終えた。19年度中の完成を目指す。大雨の度に浸水に悩まされてきた住民らは、被害解消に期待を寄せる。
雨水幹線は若林区大和町から同区卸町、宮城野区扇町を通る。高砂大橋近くの鶴巻ポンプ場で下水道から雨水をくみ上げ、七北田川に放水する。沿線一帯は低地が多く、豪雨などでたびたび浸水被害に見舞われてきた。市は雨水幹線の整備によって被害軽減を図る。
4カ所に深さ約30メートルの工事用「立て坑」があり、完成後は貯水池の役割も果たす。現在は立て坑の底からシールドマシンで横に掘り進む。内部は直径2.0~2.8メートルでレールが敷かれ、掘削した岩石をトロッコで運んでいる。
東日本大震災による地盤沈下で浸水の危険性が増したため、整備計画が浮上した。事業費166億円には国の復興交付金などを活用する。
沿線の大和町地区連合町内会の藤田宏会長は「地区は高齢者が多く、雨が降ると孤立して不安だ。早く完成させてほしい」と願う。
低地での浸水を防止する目的で市が整備した雨水幹線は市中心部や太白区長町、仙台港背後地にもある。これまでの最長は長町地区の5.4キロ。

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