太陽の塔に「第4の顔」存在するも行方不明ってホント!?  岡本太郎が表現した”過去・現在・未来”とは

約70mもの巨大な体躯に3つの顔といえば、大阪のシンボル的存在“太陽の塔”。「芸術は爆発だ」という名言で知られる芸術家・岡本太郎が、1970年に開催された日本初の万国博覧会(日本万国博覧会。別名・大阪万博)の展示品として作ったモニュメントです。万博終了後から現在に至るまで跡地である万博記念公園に静かに鎮座し、大阪のみならず世界の人々の心をつかんでいます。

 関西人にとってあまりに身近な太陽の塔ですが、3つの顔に込められた思いや幻となった「第4の顔」の存在はご存知でしょうか? そこで、太陽の塔や万博記念公園の管理を担う『万博記念公園マネジメント・パートナーズ』(所在地:大阪府吹田市)の広報担当者に話を聞きました。

 まずは真っ先に目をひく“3つの顔”について。

「塔の上部の金色に輝く顔は“未来”を象徴する『黄金の顔』、その下にある正面を向いた顔は“現在”を象徴する『太陽の顔』、背面にある顔は“過去”を象徴する『黒い太陽』となっています」(広報担当者)

「過去・現在・未来を貫いて生成する万物のエネルギー」の象徴として作られた太陽の塔。さらに「生命の中心」や「祭りの中心」も意味しており、会期中約6400万人もの人々が訪れた大阪万博において大きなインパクトを残しました。

 太陽の塔の内部の展示空間は万博終了後に埋め立てられてしまったものの、太陽の塔内部再生事業によって塔の耐震工事を実施。かつての展示物が復元されました。2018年からは約48年ぶりに一般公開されています。

「塔内部の『地底の太陽』ゾーンでは、世界から集められた仮面や神像を展示しています。高さ約41メートルもの『生命の樹』は太陽の空間に向けて伸びる1本の樹体に単細胞生物からクロマニョン人など33種183体の生物模型群が取り付けられており、“生命の進化”の過程を表現しています。万博開催時から流れた約50年もの時間を感じていただけるよう、生物模型の中で唯一『ゴリラ』だけは手を加えずに、そのまま残しています」(広報担当者)

 本来、太陽の塔には「4つ目の顔」が存在しています。ところが現在あるのは3つ。4つ目はいずこへ……? 広報担当によると「4つ目の顔『地底の太陽』は、1970年当時は地下展示の『いのり』に存在していました。しかし閉幕後の撤去作業以降、姿を消してしまい50年以上経ったいまも行方がわからない状態」とのこと。

 いまだ謎に包まれた第4の顔・地底の太陽ですが、一般公開に際し写真や当時の関係者への聞き込みをもとに復元されているのだとか。

☆☆☆☆

 2025年、再び大阪の地で開催される万国博覧会。かつて人々の心を躍らせた太陽の塔にもふたたびスポットが当てられることでしょう。前日までに予約をすれば内部見学も可能だそうですよ。

(取材・文=つちだ四郎)

タイトルとURLをコピーしました