太陽光発電システムの開発や製造をしているベンチャー企業「スマートソーラーインターナショナル」(東京都文京区、富田孝司社長)が来年1月、本社機能を仙台市に移すと市が発表した。2月から大崎市内の工場でソーラーパネルの生産を始める。2015年ごろまでに数百人規模の新規雇用を目標にしている。
市によると、富田社長はシャープ(本社・大阪市)でソーラーシステム事業本部長や常務を務め、00~06年の生産販売量世界一に貢献。東北大や東京大の客員教授を経て、低コストで高効率の太陽光発電システムの事業化を目指し、昨年8月同社を設立した。現在、東北大と共同研究を進めている。
工場は大崎市の空き工場を購入した。来年は住宅用などの小型製品、12年以降は国内外の発電施設などに向けた大型製品を製造する。独自技術により、パネルが太陽光を集めやすいよう湾曲し、太陽の向きを自動で追うのが特徴だ。従来の製品の約2倍の効率が得られ、発電コストは半分程度という。
富田社長は27日、奥山恵美子・仙台市長を表敬訪問し、「旧態依然とした生産システムは通用しなくなっている。ベンチャーが成長の突破口になることを実証したい」と語った。