太陽光電力でラジオ番組制作 東北4県有志が11日公開収録

 太陽光エネルギーだけで機材を動かしてラジオ番組をつくる取り組みが、東日本大震災に見舞われた東北で始まる。番組では、震災後の東北で地域に根差した新しい生き方や働き方を模索する人たちを紹介。各地のコミュニティー放送局を通じて発信してもらう。11日には活動第1弾となる公開収録フェスティバルを山形県天童市で開く。
 番組制作団体「くるみラジオ」を結成したのは、青森、岩手、宮城、山形各県の住民有志。団体名には「来るべき私たちの未来のために」という願いを込めた。
 番組収録に使うミキサーなど機材の電力約60ワットを、縦120センチ、横90センチの太陽電池パネルだけで賄う計画だ。車に機材を載せて各地を巡って取材、収録する。
 発起人の一人で太陽電池パネルの販売を手掛ける「ソーラーワールド」社長の武内賢二さん(46)=天童市=は「震災で東北の人たちはつらい経験をしたが、その中でも新しいなりわいをつくろうと頑張っている人がいることを各地から伝えたい」と、くるみラジオ設立の動機を語る。
 準備は昨年11月に始まった。子どもの居場所づくりに取り組むNPO法人理事長や反原発を訴えるアーティストらが、番組の目的や内容を検討。豊かな自然を利用した再生エネルギーで電力を生み出し、情報発信することを企画し、試験を重ねてきた。
 今後、取材対象をリストアップするとともに、東北各地のコミュニティー放送局と番組提供の交渉を進める。
 メンバーの一人で仙台市青葉区でアトリエを主宰する樋口ふみさん(34)は「未来を担う東北の子どもたちに向け、生きる道しるべとなるような人たちをラジオを通じて紹介したい」と話す。
 公開収録は、天童市のソーラーワールド倉庫で午前10時~午後4時。入場無料。メンバーによるトークを収録するほか、太陽光発電のワークショップもある。連絡先は武内さん090(1067)3093。

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