耳元を飾る華やかなピアス。高校を卒業した後に、“大人への第一歩”のようなイメージでピアスの穴を開けたという人も多いだろう。しかし、最近の女子大生からは、「耳のオシャレにピアスは不要」という声が聞こえてくる。彼女たちの考えを聞くと、ピアス用の穴を開けることに“意味”を見出せないのだという。
30代女性会社員・Aさんは、大学生の妹(20代)がピアスを開けない理由に、時代の流れを感じたと話す。
「妹はイヤリング派。ピアスにする予定はないそうで、何故か聞いてみると、『インターンとかで企業に行くことも多く、企業ウケを考えてもピアスの穴を開けている場合じゃない。ピアスでもイヤリングでも同じなら、別にピアスにする必要もないし』と。私の大学時代なんて、高校時代の抑圧から自由を手に入れた解放感と、いままでの自分を変えたくて、“とりあえずピアスの穴”といわんばかりに、入学して真っ先に開けたというのに……」(Aさん)
実際、ピアスの穴を開けない女子大生は多いという。都内の私立女子大に通うBさんはピアスを愛好しており、大学に入ってからおしゃれをしたくてピアスの穴を開けた。だがその後、“開けなくて良かったかも”と思っているようだ。
「確かに、ピアスの穴を開けている人は少ない気がします。痛いしケアがめんどうくさいというのがその理由でしょうね。私は、“ピアスのほうがいっぱい種類がある”という先輩の言葉を聞いて、何も考えずに開けてしまいましたが、いまはお店でもイヤリングもたくさんあるし、ピアスからイヤリングに変更可能なものも多い。耳に穴を開ける必要なんてなかったかもしれませんね」(Bさん)
都内の有名私立大学に通う女子大生Cさんは、ピアスの穴を開けていない。
「私の周りでは、ピアスの穴を開けている人は半々くらいですね。私はアクセサリーをすぐになくしてしまうので、基本的に安いものを選びがち。安いピアスは金属アレルギーとか心配だし……。だからイヤリングで十分です」
実際、アクセサリー販売店関係者も、イヤリングのバリエーションが増えてきた実感はあると話す。
「ここ4、5年でイヤリングのバリエーションがぐっと増えましたね。つい最近もお客様から、前はピアスの方が可愛いものが多くて、イヤリングがなかなかなかったので嬉しいという声を頂きました」
くわえて耳のアクセサリーも進化しているという。
「イヤリングの欠点ともいえる金具でとめる痛さは、ある程度はシリコン素材のカバーを装着することで緩和することができます。最近では、ノンホールピアスを求める人も多いですね。穴を開けなくてもピアスのように見え、イヤリングより軽くて痛くないのが魅力。耳の上部などに挟むイヤカフや、貼ることでピアスに見せるシール型ピアスも人気です。わざわざ手間をかけてまで穴を開ける必要性がないのかもしれません」(同前)
ファッションやメイクでもナチュラルが好まれるように、アクセサリーにもその波が押し寄せているのかもしれない。