女川原発、耐震性能強化へ 最大想定見直し 東北電力

東北電力は28日、女川原発(宮城県女川町、石巻市)の新たな安全対策を発表した。想定される最大の揺れの強さ(基準地震動)を引き上げ、大規模な耐震工事、非常用のガスタービン発電機設置などを進める。
 東北電は女川原発を2016年度以降に再稼働させる方針。記者会見した海輪誠社長は、再稼働の前提となる原子力規制委員会への安全審査申請について「準備が整い次第、速やかに行いたい」と述べた。具体的な時期には言及しなかった。
 女川原発は東日本大震災と震災翌月の最大余震の発生時、現行580ガルに設定した基準地震動を超える揺れに見舞われた。東北電は今回、周辺海域などで発生の可能性がある最大の地震想定を見直し、基準地震動を約1000ガルに引き上げた。
 東北電は最大地震に備え、配管の支柱強化や原子炉建屋の屋上への鉄骨部材追加を進める。現在1~3号機のうち2号機を中心に設備の耐震化を図っており、実施済み工事が新基準に対応しているかどうかも検討する。
 安全設備の多重化に向け、電源、注水、除熱の各分野ごとの対策も示した。非常時の電源となるガスタービン発電機を導入し、既存の電源車や大容量ディーゼル発電装置と併用する。
 このほか、被ばく対策を強化した新たな免震重要棟を16年度内をめどに建設する方針も明らかにした。
 同社は敷地内活断層の可能性が指摘されている東通原発(青森県東通村)でも、ガスタービン発電機の設置といった安全対策に着手する。再稼働目標とする15年7月前の工事完了を目指す。

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