原子力規制委員会は4日の定例会合で、再稼働審査に2号機が合格した東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の事故時対応拠点として移転新築された「県女川オフサイトセンター」(同町)の政府指定について、原子力災害対策の関係法令への適合を理由に了承した。政府は県と地元2市町、東北電にも意見を聞き、4月1日から正式運用する方針。
新センターは女川原発から北西約7キロに位置する。東日本大震災の津波で旧センターが全壊したことを踏まえ、海抜39メートルの高台を選定。7684平方メートルの敷地には、大型ヘリが昼夜間離着陸できる。
建物は鉄筋コンクリート3階の免震構造で、延べ床面積は旧センターの2倍超の3794平方メートル。事業費は19億3000万円で県が国の交付金で整備した。昨年11月に完工。配線工事や関連機器の設置を終え、3月2日に暫定運用を始めた。規制委事務局の原子力規制庁の現地事務所も入る。
重大事故時を想定し、放射性物質を除去する出入り口を設け、2階に現地対策本部を置くスペースや緊急時のモニタリング室を確保。80人が1週間過ごせる水や食料も備蓄する。
県原子力安全対策課の担当者は「関係機関の連絡体制を重視した空間になっている。訓練を重ね、緊急時に備えたい」と話した。
新センターの代替施設には(1)県保健環境センター・県環境放射線監視センター(仙台市宮城野区)(2)県大崎合同庁舎(大崎市)-が指定される見通し。