女川原発2号機の基準適合 規制委が正式決定

原子力規制委員会は26日の定例会で、東北電力が再稼働を目指す女川原発2号機(宮城県石巻市、女川町、出力82・5万キロワット)の安全対策が、新規制基準を満たしたとする審査書を正式に認めた。2011年の東日本大震災で被災した原発では、茨城県の日本原子力発電の東海第2に次いで2基目。東北電では初めて。再稼働は地元の同意が得られれば、対策工事が終わる予定の20年度以降になる。

 女川原発は、地震時に想定していた最大の揺れ(基準地震動)を580ガル(ガルは加速度の単位)としていたが、震災では基準地震動に対して推定で636ガル相当の揺れに襲われた所もあり、約13メートルの津波に見舞われた。ただ、当時海抜14・8メートルの高台にあり、福島第1原発のように津波が影響し原子炉の冷却機能が失われることはなかった。

 東北電は13年12月、耐震性を高めるため基準地震動を1000ガルに引き上げ、津波の想定を最大23・1メートルにするなどの安全対策を実施するとして、規制委に再稼働を申請した。

 規制委は審査に当たり、安全対策の妥当性に加え、建屋のひびなど被災の影響の有無も慎重に評価しながら、約6年かけて基準を満たしているかを確認。19年11月、事実上の合格証となる審査書案を了承した。審査書案への意見公募をしたが、意見を踏まえて修正すべき大きな点はないと判断した。

 東北電によると、防潮堤の建設に伴う地盤工事や、それに伴う液状化対策の工事など、女川原発の安全対策費は2、3号機で計3400億円。ただ、テロ対策施設の整備費は含まれておらず、今後さらに増える。

 女川2号機は、新規制基準に適合した9原発目(16基目)になる。福島第1と同じタイプの「沸騰水型(BWR)」では、3カ所目になる。【荒木涼子】

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