東北電力は6日、再稼働を計画する女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)のテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の設置を原子力規制委員会に申請した。規制委の認可と地元の了解を得て、設置期限の2026年12月22日までの完成を目指す。
特重施設は航空機衝突などのテロ攻撃を受けた際も原子炉の冷却を維持するための施設で、13年施行の新規制基準で設置が義務化された。規制委による審査は施設の性格上、原則非公開となる。
全国では九州電力川内原発1号機(鹿児島県)が20年11月、特重施設を設置して新基準を満たした初の原発として運転開始。川内2号機、関西電力高浜原発3、4号機(福井県)、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の特重施設も完成済み。
これらはいずれも設置申請から審査を経て施設完成までに5~6年を要しており、女川2号機に当てはめると26年の設置期限いっぱいまでかかる計算。22年度以降を見込む再稼働後も、期限内に完成しなければ運転停止となる。
東北電は5日、県と女川町、石巻市との安全協定に基づき、原子力関連施設の新設の了解を得るための「事前協議」を申し入れた。