女性が稼ぎ頭の家庭ほどストレスが少ない…との衝撃の調査が発表

主夫になったほうが幸せ?

結婚したら、しっかり男は外で仕事して、女は家庭に…。なんて時代遅れなことをいうと、いまや社会で批判の的となってしまいそう。でも実際には、いまだに根強い考え方として残ってもいるようです。現に家事の分担は進んでおらず、女性が大半の家事をこなしているという家庭も多いのではないでしょうか。

ところが、いわゆる古典的な家庭での男女の役割分担は、夫にも妻にも不幸な影響をおよぼすとの調査結果が、コネチカット大学の研究者チームによって発表されました。同研究では、1997年より15年にわたって、米国内の18歳〜32歳の既婚者を追跡調査。夫妻の収入と健康福祉との関連性を調べました。

American Sociological Association(ASA)の年次総会に合わせて公表された同調査結果によれば、一家の稼ぎを夫に頼っているという家庭では、稼ぎ手の男性の健康指数が平均で3.5%低下。精神的な健康度を測る幸福感の指数も5%下がってしまいました。逆に妻が主な稼ぎ手となっている家庭では、女性の幸福感がアップすることが判明していますよ!

結婚生活における男女の役割分担について、これまではいかに女性に不利な影響があるのかという観点から、主に論じられてきた。たとえば、家庭内暴力(DV)の被害に遭うのは、大抵が女性と考えられ、いまだに家事の大半は女性ばかりが担っているといった論調だ。しかしながら、今回の研究は、典型的な男女観男性にとっても有害であることを示す、調査に寄与するものとなっている。男性は一家の稼ぎ手として期待されているものの、サポートが不十分だと、(心身ともに)マイナスのプレッシャーとなってしまう。

今回の研究チームを率いた、コネチカット大学社会学部のChristin Munsch助教授は、このようにコメントしています。同調査では、年齢や学歴、年収、勤務時間など、さまざまな要素に基づいて、調査対象者の身体的および精神的な健康度合いのチェックが進められましたが、高学歴や高収入でも、稼ぎ頭の男性が感じるプレッシャーが下がることはありませんでした。

一方、女性が主な稼ぎ手の場合、たとえ収入が少なくても、女性の幸福感は高いままで、自尊心から深い満足を得ている様子が浮き彫りになっていますね。

ハーバード大学が今年初めに発表した調査でも、男性の稼ぎと離婚率の関連性が指摘されていました。もし男性が職を失うと、離婚率は一気に上昇することが明かされています。

男女平等が進んでいるようにも思える米国ですけど、いまだに家庭では男性のほうが稼ぐべきという暗黙の了解があり、それに応えるべく、少なからぬ男性が大きなストレスを感じてしまっているのでしょうね。

女性の社会進出が大きな課題の日本国内では、もっと多くの男性が、心身ともに多大のストレスを抱えながら働いていることでしょう。結婚したら女は仕事、男は家庭に〜。そんな生き方も広く受け入れられる社会のほうが、かえって夫婦ともに幸せだったりするのかもしれませんよ。

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source: American Sociological Association

Carli Velocci – Gizmodo US[原文

(湯木進悟)

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