妊婦が医療機関を受診した際の追加料金「妊婦加算」について、厚生労働省は来年度から再開する方向で検討に入る。妊婦や与党からの反発で1月から一時凍結していたが、妊婦や胎児に配慮した診療を評価する仕組み自体は必要だと判断した。ただ、加算分を妊婦自身が負担するのか、公費で助成するのかは検討を続ける。
厚労省は昨年4月、胎児への影響を考えた投薬や検査を行うなど「通常よりも丁寧な診療が必要」として妊婦加算を導入したが、「妊婦税」といった批判を受けて9カ月で一時凍結した。2月に有識者検討会を設置し、妊婦に対する保健・医療サービスのあり方について議論してきた。
検討会は6月初旬に取りまとめる意見書に、「妊婦の診療には様々な配慮が必要で、それらを評価することが重要」といった文章を盛り込み、加算の必要性を打ち出す。また、加算に見合う医療を提供するため、診療内容について説明する文書を医師から妊婦に提供することや、医師から産婦人科の主治医への情報提供などを加算の要件とするように求める見通しだ。