みなさん、こんにちは! アナウンサーの魚住りえです。
このたび、東洋経済新報社より『たった1分で会話が弾み、印象まで良くなる聞く力の教科書』を出版いたしました。
前著『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』は本当に多くの方に手に取っていただき、おかげさまで15万部を超えるベストセラーとなりました。みなさまに深くお礼を申し上げます。
第2弾となる今回は、コミュニケーションをとるうえで、「話し方」以上に大切な「聞き方」について書きました。早速、5万部を超えるヒットとなり、多くのみなさまに読んでいただけていることを、心からうれしく思います。
本記事では「嫌われる人のウザい自慢」よくある7つのNGを紹介します。
■「自慢話」はどんな形でも嫌がられている
自慢話は、言うほうは気分がよくても、聞くほうは決していい気持ちにはなりませんよね。
子どものころは平気でガンガン言えたけれど、さすがに大人になると「俺は仕事ができて人望があって、女性にモテる」などというストレートな自慢をする人は少なくなります。
その代わりに、別のことを言っているように見えて、実は自慢だったという「隠れ自慢」や、愚痴をこぼしているようで、結局は自慢という「愚痴を偽装する自慢」、はたまた過去の話やSNSの自慢など、「ちょっと手の込んだ」自慢も増えてきているような気がします。
でも、結局は「自慢」です。どんな形でも嫌がられることに変わりはありません。
では、嫌われる人の「ウザい自慢」はどんなものでしょうか。パターン別に紹介しましょう。
まず、よくあるのは、「愚痴」を装いながら、その中に「自慢」を入れてくるケースです。
■「ベンツに買い替えたから、おカネがなくて」
【1】「愚痴を偽装した」自慢
「大学院なんて出たって何の意味もなかったね。一応MBAをとっているんだけどさ、仕事には生かされていないし」
「今年は暑くてエアコン代がかさんで……。タワーマンションの高層階って暑いのよ~。特にうちは最上階だから」
一見、愚痴をこぼしているようですが、さりげなく「高学歴」「タワーマンション(の最上階)に住んでいる」という「自慢」をアピールしています。
ただでさえ「愚痴」は歓迎されないものなのに、そのうえに「自慢」が乗ってくるのです。
これ以外にも、「家の車をベンツに買い替えたら、おカネがなくて……」とか「子どもが学習塾の特進クラスに上がったら、忙しくて」みたいな、愚痴を偽装した自慢も少なくありません。
これは「何、それ自慢でしょ?」とウザがられても仕方がありませんね。
【2】「昔の武勇伝」自慢
「昔の俺はケンカっぱやくてね。繁華街でコワモテの人と殴り合いになって、相手を病院送りにしちゃったんだ」
「若いころはちょっとばかり悪さしていて。暴走族の『アタマ』やっていたんだけどね」
これは、お年を召した男性に多いパターンで、「俺は若いころヤンチャだった」という話をしたがる傾向があります。
しかし、女性からの目線では、その心理が理解できないところが多いため、「武勇伝」「ワル自慢」を聞かされても困惑してしまいます。
その結果、「好感度アップ」にはつながらない可能性が大きいかもしれません。
次によくあるのが、「仕事ができる」自慢をすることです。
■本当に「仕事ができる」人は口にしない
【3】「仕事ができる」自慢
「この会社は俺でもっているようなものだね」
「残業が何十時間で、俺だけ連休も休めなくて」
「まいったよ、急な残業になっちゃって。A君のミスを俺が全部、尻拭いさせられてさ。部長も結局は俺を頼ってくるんだよね」
これも、どちらかというと男性に多いかもしれません。
また、先ほど紹介した「『愚痴を偽装した』自慢」のような形で自慢をしてくるのもありがちです。
本当に仕事ができていたとしても、自分で口にしてしまうと「お安い感」がにじみ出てしまうので、注意したほうがいいと思います。
【4】「自分はモテる」自慢
「いま、2人からコクられちゃったんだけど、実はどちらも好みじゃないんだよね」
「六本木で飲んでいたら、有名人の〇〇さんにナンパされちゃったんだ」
モテ自慢には、「単純に自慢したいだけ」と、「『自分はモテる』アピールをすることで相手に好意を持たれたい」というパターンがあるように思います。
しかし、「本当にモテる人」は自慢をしません。
さらに、ガツガツしていない、女性(男性)の扱い方が慣れているなど、「この人モテそう」というのが、雰囲気でだいたいわかります。
この雰囲気こそがいちばんのアピールになるのであって、自分から「モテる」と言ってしまっては台無しになってしまいます。
このほかに、ご年配の男性で「俺は、昔はモテたんだ」アピールをしてくる人がいますが、実際はこれもちょっとイタい気がしますね。
それから、「苦労してきた」「不幸だった」自慢をしてくることも、よくありますね。
■「家柄の自慢」は本人の実力とは関係ない
【5】「苦労してきた」「不幸だった」自慢
「家が貧乏で、バイトを3つかけもちして自力で学校を卒業した」
「昔の職場の上司にいじめられて、さんざん苦労したんだ」
自分がいかに苦労をしてきたか、どんな大変な目に遭ってきたかをしきりにアピールしてくる人がいます。
もちろん、たまに語る程度ならいいのですが、問題は、なにかにつけてその話を持ち出すことです。
自分の苦労話をすることで、人の気を引きたい、同情されたいという心理からくるものかもしれませんが、繰り返されるのはちょっと辟易してしまいます。
【6】「家柄・配偶者・子ども・孫」自慢
「うちは代々続く地主で、昔は駅前から家までがすべてうちの土地だった」
「夫は医師なんですが、今日も当直で」
「うちの孫は3歳でもうカタカナもひらがなも全部書ける」
家柄や家族についての自慢も、ちょっとうんざりしてしまいますね。
家柄の自慢は、本人の実力によるものではないし、時代錯誤のような感じもします。
また、よくある「子ども自慢、孫自慢」ですが、人によっては、そのすごさがわからず、返答に困ってしまうこともあります。
さらに、旦那さんの社会的地位や職業、高収入を自慢する人もいますが、これも完全な「嫌われパターン」になってしまいます。
最後は、今までとはちょっとパターンが違うのですが、SNSにおける「リア充アピール」です。
■SNSのアピールは、ほどほどに
【7】「SNSのリア充」自慢
・話題のお店でパンケーキを食べた
・友だちを大勢呼んでホームパーティを開き、大盛り上がり
・○○に旅行にいって楽しかった
・デートで海へ
・仕事で海外出張
こんな投稿が山盛りのSNSを見せられると、ちょっと疲れてしまいますよね。
このほかに、特に女性によくあるのがスタイル自慢の写真。これも、あまり頻繁だと「ウザい人」と思われてしまいかねません。
私には、あまりSNSでアピールしたいという気持ちがないのですが、「リア充アピール」は、ほどほどにしておいたほうがいいかもしれませんね。
【「嫌われる人のウザい自慢」よくある7つのNG】
・「愚痴を偽装した」自慢
・「昔の武勇伝」自慢
・「仕事ができる」自慢
・「自分はモテる」自慢
・「苦労してきた」「不幸だった」自慢
・「家柄・配偶者・子ども・孫」自慢
・「SNSのリア充」自慢
以上、「嫌われる人のウザい自慢」を挙げてみました。
人間ですから、多少は自慢したいこともあるでしょう。でも、自慢のしすぎはよくありません。
自慢話を押しつけるようなことはしないで、「聞かれたら答える」程度にとどめておくと、「あの人は感じがいいな」と好印象をもたれると思います。
自慢話のように「ちょっとした話し方のコツ」で損しているケースはたくさんあります。ぜひ「賢い大人のマナー」を身に付け、職場でも日常生活でも「嫌われる話し方のクセ」をなくしてくださいね。