子どもに不審な声掛け規制 宮城県が条例化を検討

宮城県は29日、不審な声掛けや付きまといなど、子どもに対する犯罪につながる恐れのある行為について、条例で規制する方針を固めた。条例制定に向けた具体的な検討を始め、来年度中の施行を目指す。同様の条例は大阪府、奈良県、栃木県が定めているが、東北では例がない。
 同日、県庁で開かれた大学教授や弁護士らでつくる「女性と子どもの安全・安心社会づくり懇談会」で明らかにした。年々増加している不審な声掛けが現行法では対応しきれず、子どもや保護者の不安感が解消されていないことなどから、新たな手法の対策が必要と判断した。
 県によると、規制対象には、甘い言葉で誘い出すなどの声掛け行為や、正当な理由がないのにすごむなど恐怖心を与える威迫行為を想定。具体的な対象行為や罰則の有無などは、先行県の条例を参考に検討する。ドメスティックバイオレンス(DV)や性犯罪の被害者対策を盛り込むなど総合的な条例にするかどうかは県警と協議する。
 非公開で行われた懇談会の協議では、委員から、規制対象となる行為を条例で明確に位置づけるよう求める意見が出された。恣意(しい)的な運用を防ぐ仕組みの必要性を指摘する意見もあったという。
 子どもや女性を対象にした犯罪対策をめぐっては、村井嘉浩知事が2011年1月、性犯罪前歴者などを衛星利用測位システム(GPS)で常時監視できる国内初の条例制定の検討を表明したが、東日本大震災で作業は中断。ことし5月、復興事業への影響も考慮してGPS監視断念を決め、総合的な対策を打ち出す方針に転換していた。

タイトルとURLをコピーしました