低所得の子育て世帯の子ども1人あたり5万円を配る「子育て世帯生活支援特別給付金」について、早ければ6月から支給を始める方向で厚生労働省が調整に入った。一部の対象世帯を除き、申請する必要がない「プッシュ型」で支給する。この給付金は、物価高騰への対応として政府が26日にまとめた緊急経済対策に盛り込まれた。 【写真】給付金の振込で個人口座にいきなり4630万円、町で起きてしまったこと 厚労省幹部は今回の給付金の支給時期について、「6月の支給開始をめざすことになる」と説明。支給対象は、児童扶養手当を受ける世帯(低所得のひとり親)と、住民税非課税の世帯(両親がそろう世帯)となる予定だ。 困窮する子育て世帯への給付金は、菅前政権が新型コロナウイルスへの対応策として昨年3月に実施を決め、約380万人に支給した。このときの予算額は約2175億円(事務費を含む)で、今回の給付金も同様の規模を見込んでいる。 今回の対象は、多くが児童手当や児童扶養手当を受け取っている世帯のため、行政が把握する口座に振り込む方法を検討している。この場合、申請は基本的にいらない。だが、子どもが高校生だけの世帯などは、児童手当などの振り込み方法を利用できず、新たな申請が必要となりそうだ。 自治体によっては、支給日程にばらつきが出る見通しだ。(久永隆一)