両親の学歴や世帯収入が高いほど子どもの学力も高い傾向にある一方、家庭環境にかかわらず宿題をする子も学力が高いことが、昨年4月の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)を基に実施した文部科学省の委託研究で28日、分かった。収入が増えるにつれ塾代などの学校外教育費支出が多くなり、子どもの正答率も高まった。
経済力など家庭状況と子どもの学力との関係を全国規模で調べたのは初めて。親が子どもに本や新聞を読むよう勧めたり、読み聞かせしたりすることも学力に強く影響していた。
研究グループの代表で、お茶の水女子大の耳塚寛明教授は、家庭環境による学力格差を克服する上で鍵となる取り組みを示しているとした上で、「学校や家庭でこれらに配慮をした指導を広げていくことが必要だ」と話している。
昨年5~6月、全国から抽出した公立小中778校の保護者計約4万人に家庭の状況や教育費、子どもへの接し方などを尋ね、学力テストの正答率との関係を分析した。