東北大名誉教授の知恵と経験、ネットワークを生かそうと、企業や行政機関に専門家を紹介したりコンサルタント業務を担ったりする「名誉教授ドットコム株式会社」が1日、仙台市青葉区に設立される。全国的にも珍しい試みという。
発案者は、社長に就いた川添良幸東北大未来科学技術共同研究センター・シニアリサーチ・フェロー(72)。計算科学の第一人者で東北大金属材料研究所に勤務し、国内外の客員・名誉教授、顧問などを歴任した。現在も共同研究を進めており、その経験を生かす。
資本金200万円。主な業務は科学技術に関する相談・提案、実験・研究の支援など。現在、約10人の名誉教授がアドバイザーとして登録している。
専門は環境水質工学や材料科学、医工学など理工系が中心だが、日本近世史が専門で東北大災害科学国際研究所の初代所長、宮城学院女子大(青葉区)の学長を務めた平川新氏ら文系研究者も。今後、ニーズに合わせてアドバイザーを増やしていく。
会社設立には名誉教授の就労支援の狙いもある。川添氏によると、東北大では年間20~30人程度が新たに名誉教授の肩書を手にするが、退官後に有償で活動する人は少ないという。
川添氏は「現役の研究者よりも時間に余裕があり迅速に対応できる。最適な人材を提供したい」と話す。連絡先は090(2362)1516、president@pedc.tohoku.org