孫兵衛船レース完全復活 31日から石巻川開き祭り

 夏の宮城県石巻市を彩る第91回石巻川開き祭り(実行委員会主催)が31日と8月1日、市中心部で開催される。東日本大震災で中断し、規模を縮小して昨年再開された水上のメーン行事「孫兵衛船競漕(きょうそう)」が完全復活する。会場となる旧北上川では、選手たちが練習に励んでいる。
 孫兵衛船は旧北上川河口の艇庫が津波で被災し、11隻が損壊。実行委は繊維強化プラスチック(FRP)製の孫兵衛船(全長10メートル、12人乗り)6隻と、女性向けのミニ孫兵衛船(7.5メートル、8人乗り)4隻を新造した。
 昨年は早めに完成した2隻で模擬レースを実施。ことしは従来通り参加者を公募し、市内の企業などから46チームが出場する。会場は石巻大橋-内海橋間の約500メートルを予定。31日に予選、1日に準決勝、決勝が行われる。
 参加チームの練習は16日に始まった。干潮時を除く朝夕を中心に、選手たちは久しぶりの感覚を確かめるようにオールをこいでいる。南光運輸の社員でつくる「NANKOレジェンド」の杉山育男さん(55)は「レース復活を機に祭りを盛り上げようと参加を決めた。息を合わせるのが難しいが、本番に向けて仕上げたい」と話した。
 祭りは31日に震災犠牲者供養の灯籠約5000個を旧北上川に流す。1日は鼓笛隊やみこしのパレード、航空自衛隊松島基地の曲技飛行隊「ブルーインパルス」の展示飛行、約6000発を打ち上げる花火大会などが繰り広げられる。

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