宇宙と地球をケーブルでつないで人や物資を運ぶ未来技術「宇宙エレベーター」の基礎実験が来年早々にも始まる。
鹿児島県の種子島宇宙センターから9日に打ち上げられた日本の無人補給船「こうのとり」6号機が、実験用の超小型衛星を積んでおり、13日、国際宇宙ステーション(ISS)に到着する。
宇宙エレベーターは、高度3万6000キロ・メートルの静止軌道上から上と下にそれぞれ数万キロ・メートルのケーブルを延ばし、人や物資を往復させる計画。大手ゼネコンの大林組が大学などと共同研究を進めており、2050年の完成を目指している。
実現に向けては、鉄よりはるかに強くて軽い材質のケーブルや、宇宙で数万キロ・メートルに及ぶケーブルを真っすぐに延ばす方法などを開発する必要がある。
今回の超小型衛星は、静岡大の山極芳樹教授らのグループが作製。宇宙でのケーブルの挙動や摩擦など、基礎データを取得する。