宇宙初期に大量の巨大ブラックホール 愛媛大など、すばる望遠鏡で発見

地球から約130億光年離れた83個の巨大ブラックホールを発見したと、愛媛大などの国際研究チームが13日、発表した。誕生から8億年の初期宇宙に、太陽の100万〜100億倍の重さを持った巨大ブラックホールが数多く存在したことを初めて明らかにした成果という。14日から東京都小金井市で開かれる日本天文学会で報告する。

 ブラックホール自体は光を発しないが、周辺のガスなどがブラックホールにのみ込まれる際に明るく輝く。しかし、非常に遠くにある場合は地球からは暗くて観測が難しく、初期宇宙に巨大ブラックホールがどのくらいあったかはよく分かっていなかった。

 研究チームは米ハワイにあるすばる望遠鏡など3台の大型望遠鏡を使い、超遠方の宇宙を探索。ブラックホールにのみ込まれるガスなどが明るく輝いている天体100個を確認した。うち83個はこれまでに知られていなかった。

 最も遠いものは地球から130.5億光年離れており、宇宙誕生(約138億年前)から8億年弱しか経過していない。

 チームの松岡良樹・愛媛大准教授(天文学)は「宇宙誕生からわずかの期間で、これほどたくさんの巨大ブラックホールが育っていたことに驚いた。初期宇宙の成り立ちを知る重要な手がかりになる」と話した。【斎藤有香】

タイトルとURLをコピーしました