たしかに、お金がなくて良いものを買えないことはつらい。それはほんとうに、いやだろう。でも、ここではっきり言っておきたいが、お金の無駄遣いはするな。家族や友人や恋人などがお金の無駄遣いをしているとき、それを傍観するな。つまり、安物のAndroid携帯を買うな、買わせるな。
合衆国等ではキャリアによる大幅割引きサービスがあるので、結果的に安物のAndroid携帯と最高級製品との価格差は数ドルしかない。例外としてGalaxy NoteタブレットフォーンやDroid Razr MAXX、それにGalaxy Nexusなどごく一部は299ドルだが、そのほかの高級機はほとんど199ドルだ。なぜ80ドル(割引き後)のLG Lucidのようながらくたを買ったり、すぐに見捨てられてろくにアップデートもしないようなバーゲン品と一緒に暮らすのか。そんな態度では、あなたのその後の人生が、失敗の連続になるだろう。
ここ合衆国では、多くのスマートフォンが誰でも買える値段だ。キャリアはハードウェアを大幅ディスカウントして、高価な音声+データ2年契約でそれを取り戻す気でいる。そのために消費者は、最高級の製品に容易にアクセスできる。Galaxy S IIとかDroid RAZRなどは、とても優れた企業がiPhoneと戦うために出した製品だ。そういうのを、買うべきだ。
実際には、それらの企業はiPhoneに勝ちたいだけではない。スマートフォン市場を構成するさまざまな消費者層を、全部ごっそりいただきたいのだ。そのために彼らは、スマートフォンの製品多様化に躍起になっている。だから一つ二つのすごい製品だけに注力するのではなく、多くのローエンド製品も作るのだが、いろんな理由でその戦略は成功していない。Androidの市場獲得競争は普及率を一挙に高めたが、多くの欲求不満な顧客も作りだした。
MotorolaやSamsungなどは、メインの花形製品に力を入れて注目度を高めようとしている。これらの、イメージ戦略の主役となる携帯を、メーカーはスターとして扱う。アップデートは早いし、サードパーティ製のアクセサリも多い。だから、ブートローダがロックされていたり、キャリア特有のいろんなナンセンスがあるにもかかわらず、デベロッパたちも群がり、大物製品になる。
“でも、高いだろ!”。たしかに、定価は安物の倍ぐらいのこともある。でも、100ドルのを買わずに200ドルの製品を買うことは、それほどたいへんではないだろう。いやみに聞こえるかもしれないが、でも、あと100ドルがなんとかなるまで待てばいいのだ。しかもキャリアの割引きがあるから実際はもっと安いし、少なくともその携帯と2年は一緒に暮らすのだから、高い買い物とは言えない。安物買いの銭失いのほうが、むしろ良くない。
比較するとき、公表されている仕様だけを見てはいけない。どちらも、1.2GHzのCPU、512MBのRAM、それで片方は100ドル安い! ぜったい、お買い得だ! しかし、安物には必ず安い理由がある。重くて遅いソフト、手抜きのハードウェアデザイン、今どき小さすぎる電池、などなど。Android機はOS自身が相当なリソース大食らいだから、高品質なソフトを必ず使うべきだ。
品質の良い100ドル携帯も、少なからずある。来週出るNokiaのすばらしいLumia 900は、100ドルだ。iPhone 4は今100ドルで買える。Android携帯なんてほんとに要るの? Samsungの最高級機Galaxy S IIを、よーく見てみよう。2011年における最高の技術が、すべて盛り込まれている。だからデベロッパやアクセサリメーカーのコミュニティが、同機を大いに気に入っている。しかも、ここでまた思い出してほしいのだが、それは今後2年間使う携帯電話だ。デートをちょっと節約するなどして頑張って買った最新の高級機は、たぶんもっと長く、あなたと生活を共にすることになるはずだ。