宝島社の雑誌『リンネル』の表紙が、ネット上で注目を集めています。ほとんどの号で、リンネルの「ル」の字が付録紹介によって隠れているというのです。調べてみるとその通りで、「リンネという雑誌だと思っていた」という声も上がっています。看板ともいえる雑誌名を隠すことに抵抗はないのか? 宝島社を取材すると「上から12cmの法則」が関係していることがわかりました。
2010年に創刊したリンネル。「心地よい暮らしと装い」をコンセプトに、ファッションやライフスタイル、健康、美容などの情報を紹介する雑誌です。
毎日の暮らしを大事にしたいと考える「暮らし系」という新たな層を開拓し、10~70代という幅広い年齢層の女性に読まれているのが特徴だそうです。
そんな雑誌の表紙が先月末、ツイッター上で話題になりました。付録紹介によって「ル」の字が隠れているというのです。
この指摘に対して、「ほんと毎度ルが消えてるんだよな」「ずっとリンネだと思ってた」「隠し続けるのなんかメリットあるん?」といったコメントが寄せられています。
なぜ、ほとんどの号で「ル」が隠れているのか? 宝島社広報課の担当者に話を聞きました。
――リンネルの「ル」が隠れていることが多いというのは本当でしょうか
2015年12月号までは付録の写真の隙間から見えていた「ル」ですが、完全に隠れたのは2016年1月号からです。いつも完全に隠れているわけではなく、2018年7月号では少し見えています。
――なぜ隠れてしまうことが多いのでしょうか
皆さんに付録も紹介したいと思い、このようなデザインになっています。
2007年ごろ、「書店で棚ざしされると付録が見えない」との意見が社内の会議で挙がり、「上から12cmの法則」というルールを設けました。
表紙の上から12cm以内にタイトルと付録を配置することで、棚ざしでも雑誌付録を確認することができ、より手に取ってもらいやすいデザインに。その後、全誌部数を伸ばし、シェアも1位となりました。
現在、時々例外はあるものの、宝島社の発行する13誌全誌で同じルールを設けています。リンネルは2010年創刊ですので、実は創刊号の「ル」も少し隠れています。
――タイトルを隠すことについて抵抗は
タイトルも大切に思っています。表紙をよく見ていただくと、左上に小さく「リンネル」と入っています。
――雑誌名を「リンネ」と思っていた人もいるようです
次号から、左上の「リンネル」の表示をもっと大きくしたいと思います。
――話題になったことについては
話題になっていることを受けて先日、宝島社のツイッターアカウント「宝島チャンネル」で、「ル」のみお届けいたしました。来年は表紙にも「ル」が登場するかもしれません。ご期待ください。