「今日もヒマだ~」なんてボヤいている店員さん、お客様が集まらない原因は、集客のためにと店先に置いてある「店頭ボード」のせいかもしれません。今回の無料メルマガ『目指せ! 販売の達人 ~販売力向上講座~』では、著者で接客のプロ・坂本りゅういちさんが、お客様が入りやすさを感じるボードの書き方を伝授。大切なのは書体やイラストではなく、「自分の店に来る客層をよく知ること」とのことですよ。
表現は誰のため?
この数年はオシャレなカフェが増えてどこに行っても良い雰囲気のカフェに入ることができます。オシャレなカフェは外観からもうオシャレで、「このカフェに入ったらどんな体験が待ってるだろう」とわくわくしますよね。私もPCを持ち込んでカフェで仕事をすることが多いため、そのあたりにはちょっと興味を持っています。
で、少し話は変わるのですが、そういうカフェの前にはブラックボードなどにメニューやコンセプトを書いてあることがあります。カフェに限らず、そんな表示でオシャレ感を演出している店はたくさんありますね。
ただ、以前ある商業施設で見たカフェはその表記に少し問題がありました。まったく読めなかったのです。正確には読めても何のことかよくわからないということでしょうか。
それはすべてアルファベット表記で「coffee」くらいはわかるのですが、それ以外の表記はどんなメニューなのかさっぱりわかりませんでした。私が英語が苦手というのも問題ですけど、それでもこんなに理解できなかったのははじめての経験でした。
実はその施設のお客様は大半が子供連れのママさんばかり。私が通った時間帯もちょうど子連れのママさんだらけでした。しばらく店の前を観察していても、案の定誰もボードには見向きもしません。見ても一瞬でそっぽを向いてしまいます。当然店内はガラガラです。
この店のボードには2つ大きな問題があります。
このカフェの店頭ボードにあった大きな「誤り」とは?
ひとつはお客様が見えていないこと。自分たちの店に入ってくれる可能性のあるお客様がどんな人たちなのかを理解していないのです。子連れのママさんたちは、読めもしないメニューを注文したくて入ってくるわけではありませんよね。昼下がりに子連れでゆっくりできる店かどうかの方が100倍重要です。それが見えていないから、不必要なメニューを掲示したりします。
そしてもうひとつは何が大事かを理解していないこと。
「英文ならオシャレだろう」
「フランス語ならオシャレだろう」
「○○なら…」
と勝手に雰囲気を決めつけてしまって外にPRしています。
確かに場所によって、お客様によってはそれがオシャレとして成立します。でもその店では決してそうではないのです。それは店の立地や時間帯、お客様によって確実に変化していく要素。そこを理解できていないと、自分たちの思う理論だけで物事を進めてしまいます。
もしあの店のブラックボードに「お子様とご一緒にゆっくりおいしいドリンクを飲んでいきませんか?」と書かれていたなら。子供が見てもすぐに理解できるようなおいしそうな飲み物の絵が描いてあったなら。きっと立ち止まって店内に入る人の数も変わってきます。
表現は誰のためになるのか? 店やお客様のことをよく見て考えましょう。
今日のおさらいです。
- 表現は誰のためのものか常に考える。
image by: Shutterstock
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出典元:まぐまぐニュース!