実質賃金2.9%減で12カ月連続マイナスに「異常な国」賃金に影響与える外国人労働者受け入れも「ありえない」SNSで広がる恨み節

 5月9日、厚生労働省が発表した3月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価上昇を加味した実質賃金は前年同月に比べ2.9%減少し、12カ月連続のマイナスとなった。

 基本給や残業代などを合わせた現金給与総額は29万1081円で0.8%増加し、15カ月連続のプラスだったが、物価の上昇率に追いつかない状況が続いている。

 現金給与総額のうち、所定内給与は0.5%増の24万9686円、残業代に当たる所定外給与は1.1%増の1万9321円。就業形態別では、一般労働者が1.3%増の38万82円。パートタイム労働者が2.1%増の10万1038円だった。

「OECD(経済協力開発機構)のデータで年間実質賃金を見ると、OECD35カ国平均では、2000年の4万2160ドルから2020年には4万9165ドルと、上昇しているのに対して、日本は2000年の3万8365ドルから2020年には3万8515ドルと、ほとんど変わっていません。

 アメリカの2020年の年間実質賃金は6万9392ドル、韓国は4万1960ドル。日本はこの20年間で、韓国にも追い抜かれてしまいました。

 財務省が発表している国民負担率(国民所得に占める税金や社会保険料の割合)で見ると、2000年の35.6%から、2020年には47.9%と上昇しています。さらに、ロシアによるウクライナ侵攻で物価高が続いています。生活が苦しくなったと感じるのは当然といえます」(経済担当記者)

 SNSでは、日本の実質賃金が上がらないことへの「恨み節」が広がっている。

《先進国はおろか殆どの国で賃金は上がっている、上がって無いのは日本位、実質賃金に至っては25年間下がり続けている、こんな異常な国は日本だけ 緊縮財政と言う間違った政策を取っているのも日本だけ、政府支出が少ないから経済成長せず賃金が上がらない》

《実質賃金下がる 物価上がる 年金支給額下がる 年金支給年齢上がる 各種税金上がる 出生率下がる 防衛費爆上がり! なにこの修羅の国》

《移民政策はマクロで見た時に実質賃金に深刻な影響を与える。ようやく賃金上昇が始まったこのタイミングにおいて「経済移民」の受け入れは議論する余地もなくあり得ないと言わざるを得ない》

 岸田文雄政権は防衛増税を掲げ、外国人労働者の受け入れを拡大する方針だが、実質賃金が一向に上がらない状況に、国民は耐えられるだろうか。

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