国土交通省は18日、1月1日時点の公示地価を発表した。東北6県の平均地価は住宅地が前年よりプラス1.1%で6年連続、商業地は同1.7%で4年連続の上昇となった。宮城県の上昇率は仙台圏を中心にした活発な土地取引を反映し住宅地は全国2位、商業地は6位だった。東日本大震災で被災した沿岸部では下落傾向が続く。昨年10月の台風19号豪雨で浸水した地域では一部で大幅に下落した。
各県と仙台市の平均地価と変動率は表の通り。住宅地は宮城県の上昇幅が前年と同じ3.5%。山形県は20年ぶりにプラスに転じた。青森、岩手、秋田各県は下げ幅が改善した。
福島県の上昇幅は前年比0.6ポイント減。東京電力福島第1原発事故による避難者の移転需要が落ち着いたことに加え、台風19号で河川が氾濫した郡山市やいわき市などの一部の地点で下落。郡山市安積町日出山の変動率は前年のマイナス0.3%から同9.6%。下落率は全国3位だった。
沿岸被災地では土地取引が落ち着いたことや人口流出が影響。宮古、大船渡、気仙沼、石巻各市で下落が続いた。
県庁所在地の住宅地は仙台市の上昇幅が0.1ポイント減。秋田市は利便性の高い中心部の需要が伸び、0.2%と19年ぶりにプラスとなった。青森市の下落率は前年と同じ、盛岡と山形両市は上昇、福島市は上昇幅が0.6ポイントの減となった。
商業地は仙台市の上昇率が0.2ポイント増の10.9%。JR仙台駅周辺を中心に依然としてオフィス需要が活発で、2年連続で上昇率が10%を超えた。
全国的には三大都市圏を除く地方圏での回復傾向が強まり、住宅地が0.5%、商業地が1.5%のプラスとなった。
東北の調査地点数は1865カ所。このうち福島県の7カ所は原発事故の影響で休止が続いている。
[公示地価]地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が公表する1月1日時点の土地価格。一般の土地取引の指標となる。今回の調査地点は計2万6000カ所(うち福島県の7カ所は休止)。他の指標には都道府県が7月1