トヨタ自動車が、宮城県内の工業団地で大規模な次世代送電システム「スマートグリッド」の構想を検討していることが24日、関係者への取材で分かった。大規模太陽光発電所(メガソーラー)から近隣の工場などに電気を供給することで、地域の製造業の競争力向上を図るのが狙い。
近く県や東北大を交えた検討組織を設け、構想の詳細を詰めるとみられる。
構想は、セントラル自動車などトヨタの関連会社が立地する大衡村の工業団地での実現を念頭に置いている。関連企業のコスト削減を図るだけでなく、二酸化炭素(CO2)の排出量削減、震災など不測の事態でも稼働できる環境づくりを目指し、トヨタ系以外の工場への供給も検討する。地域の住宅にも電力を供給し、大衡村を中心に工場を核とした環境都市づくりの推進を図る考え。
関係者によると、7月にトヨタ側から県や東北電力に事業構想の説明があった。ニーズの有無や技術的な課題などについては、今後トヨタ側が調査を進めるとみられる。
トヨタの豊田章男社長は7月、東北の復興支援策として自然エネルギーの活用策を探る考えを表明しており、宮城県内でのスマートグリッド構想がその具体例となる。