宮城に植物工場を検討 日本GEのマーク・ノーボン社長

米電機・金融大手ゼネラル・エレクトリック(GE)の日本法人、日本GEのマーク・ノーボン社長は仙台市内で河北新報社のインタビューに応じ、東日本大震災を受けた復興支援の一環として、宮城県内での植物工場プロジェクトの展開などを検討していることを明らかにした。実現に向けて「自治体などとの調整が必要となる」と述べ、仙台市内に小規模の事務所を新たに設ける考えも示した(聞き手は報道部・安野賢吾)
 ―震災後の対応は。
 「私は震災から10日後に仙台入りし、宮城県幹部と会って復興への支援を約束した。この秋に仙台空港近くの県道に設置した発光ダイオード(LED)照明と、県に寄贈した軽自動車のドクターカーはその一つだ」
 ―他の支援策は。
 「インドアファーム(植物工場)のプロジェクトを展開する可能性がある。植物などの廃棄物を利用し発電するGE製のガスエンジンとLEDなどで野菜を栽培する構想だ」
 「水田が津波で深刻な被害を受けた農村地域の新たな農業の道として、こういった技術を使っていただきたい。実現すれば雇用にもつながる。宮城県内の複数の自治体と協議している」
 ―地元との連携は。
 「プロジェクトを実行するにはローカルの企業と協力していくことになると思う。複数のパートナーが必要だろう。分野は違うが、LEDでは既に照明販売でアイリスオーヤマと連携している」
 「東北大ともヘルスケア分野で緊密な連携を取っている。今後も医療に限らず、エネルギー関連も含め多分野で協力していく方向だ」
 ―事業展開に向けた体制は。
 「仙台市内に金融とヘルスケアの拠点がそれぞれあるが、さまざまなプロジェクトのコーディネートを取る小規模の事務所も必要になると考えている。県をはじめ自治体、多分野のパートナーと連絡を取ることが欠かせなくなる。正式決定したら発表したい」
 ―東北の可能性をどうみる。
 「新しい技術の導入は通常、古いものとの交換によって行われる。だが、この地域は交換ではなく、『再建』『復興』という形で、新技術を導入する機会を持つことになった。より良く、より効率的で、よりモダンなものを取り入れる好機が広がっている」
 「そのためにはベストの人材と知見を取り入れ、実行に移すことが大切だ。日本は成長が緩慢でリーダーシップも発揮できなくなったと見えるかもしれないが、素晴らしいアイデアとともに革新的な技術が導入できれば、世界の評価を得られる。東北はこうしたチャンスを持っている」

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