宮城県漁協は11日、今季の県産生食用カキの出荷を始めた。海水温が高く生育が遅れ、昨年に続き県が指針とする解禁日より約2週間遅れてのスタートとなった。
石巻市渡波のかき処理場には、前日までに万石浦や長浜沖で水揚げしたカキ約2トンを搬入した。生産者ら約200人が集まり、身入りの状態を確認しながら手際良く殻をむいた。
市内の県漁協石巻総合支所であった入札には県北部と中部地区のカキ約11トンが入荷した。10キロ当たりの平均価格は昨季より4割ほど安い2万2828円で、最高値は2万9000円だった。初回の入荷数量が多く、平年より低めの値が付いたという。
県漁協石巻湾支所の斎藤幸一かき部長は「店頭に並べても恥ずかしくないふっくらした身になった。飲食店は(新型コロナウイルスの影響で)閉まっている所もあるが、スーパーで買って自宅で食べてほしい」と話した。
出荷は来年3月ごろまでがピークで、6月までに約1600トンの生産を見込む。