宮城の沿岸商工業者の80%が再開 本復旧、県北ほど遅れ

東日本大震災で被災した宮城県沿岸部の商工業者のうち、3月末時点で80.8%が何らかの形で事業を再開していることが、県の調査で分かった。前年同期と比べると2.7ポイントの増加となった。地域差はいまだに残るが、震災から約2年がたち、商工業者の事業再生が少しずつ進んでいる。
 廃業した業者は、前年同期比2.6ポイント増の17.1%を占めた。今後の方向性が決まっていない「未定」は5.3ポイント減の2.1%となり、事業継続か廃業かの選択がほぼ固まりつつある。廃業を除いた再開率は97.4%になる。
 事業再開の内訳は、仮設店舗などで営業する「仮復旧中」が16.7%で2.4ポイント減少した。
 「復旧済み」は64.1%で5.1ポイント増え、本復旧が広がっていることをうかがわせた。
 「復旧済み」の割合を沿岸地域別で見ると、仙台、名取両市など県南沿岸は80.1%だったの対し、石巻、東松島両市など県央沿岸は55.6%、気仙沼市、南三陸町の県北沿岸は36.2%にとどまった。
 全壊した事業所の割合が県央は3割強、県北は4割強に上り、県南よりも全壊率が大きかったことが影響した。
 県商工経営支援課は「地盤のかさ上げなど各地域の復旧の進み具合や、まちづくり計画に合わせた支援が必要だ」と話している。
 調査は県内39の商工会議所、商工会を通し、3万8783の会員を対象に実施。回答した被災会員1万1443の状況をまとめた。

タイトルとURLをコピーしました