宮城の海水浴場、今夏は4カ所開設 感染対策忘れずに

宮城県内はまもなく海水浴シーズンを迎えます。昨夏は新型コロナウイルスの影響で県内全ての海水浴場が開設を取りやめました。今年は7日現在、気仙沼市、南三陸町の4カ所がオープンする予定です。しっかり感染対策や場内ルールを守って、夏を感じたいものです。
(編集局コンテンツセンター・佐藤理史)

利用客の「密」懸念

 東日本大震災の津波で大きな被害を受けた県内の海水浴場は少しずつ再開しています。県によると、開設する環境が整っているのは7市町の15カ所あります。
 今夏開かれる予定の海水浴場は、気仙沼市本吉地区の大谷と小泉、気仙沼市大島の小田の浜、南三陸町のサンオーレそではまの4カ所です。大谷は震災後初めての海開きとなります。オープン日は大谷、小泉、サンオーレが17日、小田の浜が22日で、期間はいずれも8月22日までです。
 開設される海水浴場が限られ、客が集中して密になってしまう恐れがあります。各場は感染拡大防止策ガイドラインをつくるなどして準備を進めています。
 具体的には、飲酒や大声での会話を禁止します。遊泳時以外のマスク着用やソーシャル・ディスタンス(社会的距離)の確保も繰り返し呼び掛ける考えです。感染が急拡大した場合は閉鎖する可能性があります。
 担当者は「いつもの年より制限はあるが、ルールやマナーを守って楽しんでほしい」と話します。

11カ所は見送り

 一方、開設を見送った海水浴場は11カ所あります。気仙沼市階上地区のお伊勢浜は震災後初めての開場を予定していましたが、来年以降に持ち越しとなりました。
 石巻市は市内全5カ所の市営海水浴場(渡波、北上地区の白浜、網地島の網地白浜、雄勝地区の荒浜、牡鹿地区の十八成浜)を開設しないと決めました。荒浜と十八成浜は、震災後初となる海開きが昨年に続いて見送られました。
 東松島市の野蒜は、防潮堤と県道の整備工事が続いています。市は工事車両が往来し危険があるなどとして、再開を来夏に延ばしました。
 東松島市宮戸の月浜も開設されません。コロナ禍の収束が見通せないことに加え、監視員の確保が難しいとして、地区の自治会が断念しました。
 この他、塩釜市の浦戸諸島の桂島、七ケ浜町の菖蒲田、亘理町の荒浜が開設を見送りました。
 宮城海上保安部は「開いていない海水浴場にはおぼれたときに助けてくれるライフセーバーがおらず、大変危険です。熱中症やけがへの応急手当ても受けられません。遊泳区域を示すブイなどがないことによる水上オートバイやサーフィンとの接触事故の可能性も高まります」と警鐘を鳴らしています。

▽開設予定の海水浴場
大谷(気仙沼・本吉)
 期間=7月17日~8月22日
 時間=午前9時~午後4時
 駐車場=約200台
 海の家=2店(利用者に記名を求める)
 連絡先=本吉町観光協会0226(44)3180
小泉(気仙沼・本吉)
 期間=7月17日~8月22日
 時間=午前9時~午後4時
 駐車場=約100台
 海の家=予定なし
 連絡先=本吉町観光協会0226(44)3180
小田の浜(気仙沼・大島)
 期間=7月22日~8月22日
 時間=午前9時~午後4時
 駐車場=約70台
 海の家=1店(テークアウトのみ)
 連絡先=気仙沼大島観光協会0226(28)3000
サンオーレそではま(南三陸)
 期間=7月17日~8月22日(7月中は土日祝日のみ)
 時間=午前9時半~午後4時
 駐車場=約400台
 海の家=テント販売(土日祝のみ営業予定)
 連絡先=南三陸町観光協会0226(47)2550

タイトルとURLをコピーしました