宮城の特殊詐欺、4年ぶり増加 コロナ禍で「非接触型」横行

2021年に宮城県内であった特殊詐欺の被害件数は280件で、4年ぶりに前年から増加に転じたことが県警への取材で分かった。被害額も4億3985万円と前年より1億円以上増えた。架空請求詐欺や還付金詐欺の増加が著しく、県警は新型コロナウイルス禍を背景に対面せずにだまし取る「非接触型」詐欺が増えて全体を押し上げたとみる。

21年・被害額は4.4億円

 県内で発生した過去10年の特殊詐欺の被害額と件数の推移はグラフの通り。被害額は15年、被害件数は17年以降減少かほぼ横ばいだったが、21年は前年よりそれぞれ1億5819万円、100件増えた。

 被害件数ベースで見ると最多は架空請求詐欺の87件(前年49件)で、パソコンがウイルス感染したと虚偽の警告を表示させ対策サポート費名目で電子マネーを購入させてだまし取る手口が目立った。次に多かったのは、還付金名目で高齢者に現金自動預払機(ATM)を操作させて現金を振り込ませる還付金詐欺の55件(前年11件)だった。

 いずれも被害者と犯人が対面することなく現金をだまし取る「非接触型」であることが特徴。一方、「接触型」の受け子が被害者宅などを訪れてキャッシュカードなどをだまし取る預貯金詐欺は42件で前年より19件減。犯人が親族を装って訪れるおれおれ詐欺は37件(前年12件)だった。

 被害者の年代別は65歳以上の高齢者が76%、性別では女性が66%を占めた。

 県警生活安全企画課の担当者は「特殊詐欺の増加原因は分からないが、新型コロナの感染拡大も一因とみられる。犯人は取り締まりを逃れるために犯行手口を目まぐるしく変えている。流行する手口にだまされないよう啓発し、防御を呼び掛けたい」と話す。

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